「凄い星空だな……」
外のテーブルで少し遅くなった夕食の片付けをしていたメノリは、ふとその手を止めて天を仰いだ。
まさに今にも降ってきそうな星々の瞬きが頭上にあった。
「本当だね」
一緒に片付けをしていたシンゴも、メノリにつられて空を見上げていた。
「大気汚染も光害もないから、星がとってもよく見える」
「宇宙の映像は何度も見たことがあるが、こんな風に星を見たことは今までなかったな」
メノリが感慨に耽っていると、みんなの家の方から、悲鳴とも罵声ともつかないどよめきが響いてきた。
現実に引き戻されたメノリとシンゴは、怪訝そうな目をみんなの家に向けた。
「何をやっているんだ、向こうは?」
「さあ……」
みんなの家では。
先頭のチャコが足を滑らせたはずみで、順番に梯子を昇ろうとしていた皆が団子となって梯子の下に転落していた。
彼らの眼前には、メノリ達が目にした星空に勝るとも劣らない星が舞っていたという。