「僕だって帰りたいんだ!」 シンゴは叫んだ。 「ベルやカオルはいいかもしれないけど、僕は声変わりだってまだなんだよ。それなのに、こんなに栄養事情の悪いところにいたら、身長だってこのままで止まっちゃうかもしれない。そんなの嫌だよ!!」 シンゴ12才、魂の叫びであった。
シンゴが遺跡に固執するのは、遺跡そのものより遺跡のある東の森の低重力の恩恵にあずかりたいからである、とまことしやかに囁かれる所以である。