低い嗚咽はいつしか消えていた。
ふいに立ち上がったカオルに、ルナも立ち上がりかける。
「ついてくるな!」
怒鳴り声にルナの身体が竦んだ。
カオルは振り返らないまま、やや声を和らげ、
「――外の様子を見てくるだけだ。心配するな」
そう言い置いて出ていった。
ルナは抱え込んだ膝の間に顔をうずめた。
無理に聞きだした訳ではない。
なのに、思いがけないカオルの涙に、ルナはそれが自分の責任のような気がしてならなかった。
どうしよう――
そして。
外に出たカオルは思い切り鼻をかんでいた。