1クリック劇場 #28「散歩」

散歩

 なんや情けないな。みんな集まってしもたやないか。

 微妙に男女一組となって外に出ていったルナ達が結局はいつも通り全員集合してしまったのを見て、チャコはひとりごちた。
 確かにナニゴトか起きるにはまだ若い仲間達ではある。しかし、もしかしたら人生最後になるかもしれない夜なのだ。安心したような、歯がゆいような、そんな思いを抱きながら、もう一度チャコは仲間の顔を見渡した。その視線がある一点で止まる。
 うちがついとるでシンゴ、と思わず目頭を熱くするチャコであった。
 その肩を誰かがつつく。
「チャコさん、美しい星空ですね」
「ソレ、さっきも聞いたわ」
「私ともう一度ジャックインいたしませんか? めくるめく世界へご一緒に」
「うっさいわ、このタコッ」

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