1クリック劇場4 #02「+女子」

+女子

「この頃ルナはあんまりカオルに独りで出歩くなって言わないのね」
「うん、この間、カオルがオオトカゲとやり合って怪我をした時に結構言いたいこと言っちゃったし、多分カオルも判ってくれたと思うから」
「そうね、最近のカオルは前より私達と一緒にいるようになったと思うわ」
「それにね、シャアラ」
「なあに、ルナ」
「カオルって、彗星みたいだと思ったの」
「どういうこと?」
「あのね……、惑星は恒星を中心にしてほぼ円形の軌道を回っているわよね。周期彗星はそれとは軌道も周期も全然違うけど、でも惑星と同じように恒星の周りを回っている。私達が惑星で、カオルは彗星。何となく似てると思わない? だから、あまり私達と同じように同じようにって縛らない方がいいのかなって思うようになったの」
「ふうん、彗星かあ……。それでいうならハワードとかは流星雨みたいよね。いつも大騒ぎしてるし、何だか派手だし」
「シャアラったら。でもホントね」

 みんなの家で、ルナとシャアラが夕食の準備に取りかかる前の一時をたわいないおしゃべりで過ごしていた頃。
「彗星……」
「流星雨? 僕が?」
 大いなる木の根元には、一日の仕事を終えてみんなの家に戻ってきたものの、行くに行けなくなった男子が二人。

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